ガイド:引用

提供: openWiki
移動: 案内検索

短縮URL
http://wiki.open2ch.net/G:Q

語り合いの肴としてニュース等を引用することもあるだろう。ここでは引用のハウツーや、その他の選択肢を解説する。記者必見。

このガイドブックのポイント
  1. 全文転載は原則NG
  2. 情報源は必ず示そう(特にURL)
  3. 事実自体は著作権フリー

引用とは[編集]

適法な無断転載のひとつ。無断転載は原則的にはNGだが、真っ当な言論環境を守るために、著作権法に例外規定が設けられている。そのうちのひとつが「引用」である。例外が認められるためには、要件がある。要件を満たさない引用は、違法な複製として投稿者に刑事罰や損害賠償が課される恐れがある。なお、著作権侵害は親告罪であるため、権利者からの告訴がない限り、違法とは限らない(黙認の可能性)。

要件[編集]

適法な引用と認められるためには、引用の要件[1]を全て満たす必要がある。

引用目的
語り合いを目的とするならたぶんおk。ニュースの二次配信自体が目的だと見なされたらたぶんアウト。
明瞭区分性
引用ニュースと自分のコメントは明瞭に分ける。剽窃ダメ、ゼッタイ。
主従関係
レスのメインは投稿者自身の作文によるコメントでなければならない。引用ニュース自体がレスのメインであってはならない。
必然性・最小限度・公正な慣行・正当な範囲
全文引用とかダメ。本当に必要な分だけ引用しよう。
出どころ明示
どこからのコピペか、明記する。新聞記者名、記事見出し、紙名、新聞社名、発行日時、面番号、URLなど。

このうち、主従関係を満たすのが特に難しいと思われる。コピペ量を上回るコメントを添えられるかな?

コツ 
新聞記事を紹介する体裁でスレを立てると、うまい具合に引用の要件を満たせるかもしれない。 [1]

URLだけで済ませるという選択肢[編集]

以上のように、引用の要件は厳しい。無理に引用するのではなく、記事見出し・新聞社名・URLのみ示して済ませるという選択肢も考えよう。

判例:YOL記事見出し事件[2]
読売が記事見出しの著作権を主張するも、創作性が認められるものはなかった。

ただし、ニューススレッドであるからには、ニュースの概要くらいはURLをクリックせずともわかるようになっていてほしい、というのもまた人情である。頑張れる記者は、他の選択肢にもチャレンジしてみよう。

創作性のない部分のみコピペするという選択肢[編集]

事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は著作物ではなく、著作権保護の対象外である(著作権法10条2項 [2])。したがって、書き手の思想や感情が創作的に表現 [3] された評論部分を除くなどの配慮を行えば、非著作物としてコピーアンドペーストが可能である。ただし、著作物の要件である「創作性」は評論だけではなく、情報の排列や取捨選択などにも見いだされるため、どこまでが創作性のない雑報・時事報道で、どこからが創作性のある報道著作物であるかは、慎重に判断する必要がある。

文化庁(1970)の解釈[3] 
『事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道』とは、いわゆる人事往来、死亡記事、火事、交通事故に関する日々のニュース等、そのものが著作物性を有しないものをいうのであって、一般報道記事や報道写真はこれに該当せず、著作物として保護されるべきものである。
判例1:ラストメッセージin最終号事件[4]
雑誌の休廃刊挨拶を無断でまとめて刊行した第三書館を出版各社が訴えた事件。45文のうち38文に創作性が認められ、7文は認められなかった。創作性の有無の判断基準を計るのに格好の判例。
判例2:ダスキン取締役会議事録等ネット公開事件[5][6]
法定外添加物使用肉まん事件において、ダスキンの株主がダスキン取締役会の議事録をネット公開した事件。議事録の創作性が争われ、1審ではすべての議事録が創作性を否定された。控訴審では、1点のみ創作性が認められた。
コツ 
創作性の有無を判別する際は、その文章表現が「ありふれた表現」かどうかを考えてみよう。「ありふれた表現」に創作性は認められない。その文章は著作物ではない。参考:菊池(2012)[7]

報道文を作文し直すという選択肢[編集]

著作権法が保護するのは創作性が認められる著作物だけなので、事実や情報自体は保護の対象外である。したがって、コピペをせずに、事実や情報を伝える報道文を自らの手によって新たに作文すれば、それは著作権侵害とはならない。むしろ新しく著作物を生み出している。ただし、「だ・である」→「です・ます」程度の書き換えや、情報の創作的な取捨選択や排列そのままの書き換えは、複製の範疇を出ない二次的著作物とみなされ、著作権侵害の謗りを免れない。「書き換える」のではなく「作文する」のが鍵。

判例:コムライン事件 [8]
日経を抄訳転載。日経勝訴。
先達:ウィキニュース
この手法でニュース記事を量産している先達。真似すればいいかも。

[編集]

以下のように、ソースをコピーすることなく、記事を紹介する記事を新たに書き下ろせば、著作権侵害には抵触しない。

【東京】舛添都知事、股関節の人工化手術完了 [15-04-03]

4月2日、舛添要一東京都知事の股関節の人工化手術が完了した(産経)。

舛添知事は持病の腰痛が悪化し、左股関節について、
変形性股関節症と診断されていた。
手術は予定通り完了し、術後の経過も良好だという(北海道新聞)。

腰痛悪化の原因としては、海外要人の接待など
過密スケジュールが可能性として報じられている(東スポ)。

入院は4月1日から1ヶ月間を予定している。
東京五輪組織委の森喜朗会長の肺がん手術も
記憶に新しく(スポーツ報知)、東京五輪準備への影響が懸念される。

産経 http://www.sankei.com/smp/life/news/150403/lif1504030006-s.html
北海道新聞 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0118970.html
東スポ http://news.livedoor.com/lite/article_detail/9960314/
スポーツ報知 http://www.hochi.co.jp/topics/20150401-OHT1T50020.html

転載自由な新聞をコピペするという選択肢[編集]

livedoorニュースの一部など、記事を各種ライセンスで許諾し、拡散を歓迎している新聞もある。ニュース部分はパブリックドメインではないことを明示し、各種条件をきちんと守ったうえで、これらをコピペするという選択肢もある。

ガイド:転載自由な新聞 
記事をパブリックドメインや各種ライセンスで許諾し、拡散を歓迎している新聞のリスト。ご活用あれ。

まとめ[編集]

以上のように、著作権侵害を避ける安全策は大別して5つある。

  1. 引用の要件を全て満たして適法にコピペする。コピペ量を上回るコメントを添える等。
  2. ニュース本文をコピペせず、記事見出し・新聞社名・URLのみ示してスレを立てる。
  3. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道部分のみコピペする。
  4. コピペを避け、自分で新たに報道文を作文する。
  5. 転載自由な新聞をコピペする。

難しいと感じる記者には、5や2を奨める。

補足資料[編集]



  1. 参考:作花文雄、2010、「第II部第6章第4節 引用(第32条)」『詳解 著作権法 第4版』ぎょうせい、ISBN 978-4-324-08975-0、336~339頁。
  2. 知的財産高等裁判所、2005、「平成17(ネ)10049」『民事訴訟』平成17年10月6日、(2014年4月9日取得、http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=9350&hanreiKbn=07 )。
  3. 文化庁、1970、『新しい著作権法の概要』1970年6月、10頁目、全国書誌番号 20872196。
  4. 東京地方裁判所、1995、「平成6(ワ)9532」『民事訴訟』平成7年12月18日、(2014年4月24日取得、http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=13818&hanreiKbn=07 )。
  5. 大阪地方裁判所、2005、「平成16(ワ)6804」『民事訴訟』平成17年3月17日、(2014年4月24日取得、http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=9700&hanreiKbn=07 )。
  6. 大阪高等裁判所、2005、「平成17(ネ)1300」『民事訴訟』平成17年10月25日、(2014年4月24日取得、http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=9320&hanreiKbn=07 )。
  7. 菊池捷男、2012、「著作権 7 ありふれた表現と創作性を備えている表現(ラストメッセージin最終号事件)」『マイベストプロ岡山』2012年10月18日、(2014年5月12日取得、http://mbp-okayama.com/kikuchi/column/4883/ )。
  8. 東京地方裁判所、1994、「平成4(ワ)2085」『民事訴訟』平成6年2月18日、(2014年4月9日取得、http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=13886&hanreiKbn=07 )。